ページ

2014/10/21

BCスキーのワクシング考(ホットワックスとオーバーワックス)


こないだの投稿山猿さんからこんなレスをいただいた。

>パウダーでも滑走性のいいワックス方法は私も気になっていました。シール使用した後は、ソールにグルーがどうしても少量付着するので滑降前には含フッ素の携帯ワックス→コルクしてます。

バックカントリー(BC)と呼ばれる、いわゆる山スキーでは、ワクシングに関して語られる事はそう多くない。
最近でこそ、BCにフォーカスした簡易ワックスなども、出てきてはいるが、ただでさえホットワクシングの需要も怪しいのに、BCのワックス事情は、ニッチの中のニッチだろう。

山猿さんのように、いわゆるオーバーワックス1)で対応するスタイルは、ゲレンデでも、BCでも少なくない。
ただ、使用するワックスにより、滑走性と施工に一番差があるのも、コノタイプで、最も多種多様なカテゴリーだと言える。

大まかにスキー用のワックスは目的によって3種類にカテゴライズ出来る。(3レイヤー)

  1. ベースワックス/ソールに事前に入れる下地になるワックス(主にパラフィンのホットワックス)
  2. トップワックス/滑走条件に合わせて入れるフッ素を含む滑走ワックス(主にホットワックス)
  3. オーバーワックス/滑走前に塗るフッ素を主原料とする滑走ワックス(主にレース前に添付?する持続性のほとんどないドライワックスをさす)
[今、唯一所有のオーバーワックス?]
今じゃ、コレを塗った方が
滑らなくなってしまうので
自分のスキーに使う事は無い・・・
個人的には1・2のホットワクシングが、僕がワクシングとしているところで、3のオーバーワックスについては、ほとんど使用しないし、経験も少ない。

個人的にはワックスはこの3種類(3レイヤー)でカテゴライズしていて、スプレー、ステック、生塗り等の簡易ワックスの類いも、滑走性の優劣に関わらずオーバーワックスと分類している。
ただ、一般的にはベース~オーバーワックスも、ホットワックスもコールドワックスも、ワックスと言う認識が普通なので、ベースワックスやオーバーワックスだけで滑る人もいるし、それでも、何もしないよりかは滑る訳で、全部したからと言って、倍滑る訳でもないのが、ワクシングの理不尽な所だ。

という事で、山猿さんの様に滑走前にワックスを塗るスタイルは、トップライダーでもスタートワックスを使用し、不意の雪質の変化にも対応している事からも、BCでは効率的と言える。

※トップライダーのベースがどの程度のものかは、解らないが・・・アルペンのレーサーのように専属チューナーがいるワケではないので、現実的には、さほどワクシングを重要視しているとは思えないし、必要性もそれほどでもないような気もする。

BCの場合、シールとの相性という点でも持続性の低いスタートワックスの使用は合理的だ。
というのも、シールのグルーにフッ素のワックスが残るのは、シールの粘着性にダメージが残る。グルータイプのBD,G3等はまだしも、Gecko等のグルーレスタイプには致命傷になりかねない。

ただ、滑走前に塗るタイプのワックスをBCで使用する際、気がかりなのは、滑走後、登り返し等で、再度シールを装着することがある場合、完全にワックスが剥げてしまっていれば良いが、部分的にも残っている場合は、滑走性の高いモノ程、フッ素の含有率が高いので、シールの糊面にダメージが残る可能性が高い。

僕の場合はというと、ホットワックス後のスクレイピングの粉がスキーに残っているのは、シールにはもっと致命的だ。
シールを貼るまえに一滑り出来る場合は、問題ないが、登坂から始まるツアーなど、自宅からシールを貼っていくか、もしくは、駐車場などで貼ってからスタートというのはよくある話しだ。
その為、最近はBCスキーについては、ワクシング、スクレイピング後に水拭きをするようにしている。
※正確にはブラッシングした後のワックス粉がヤバい。その為、霧吹きで水をソールにかけてロールブラシをかけ、ウエスで再び水拭きしている。
BCスキーをホットワクシングで仕上げるならば、コノ作業は欠かせない。
そう言う意味でも、オーバーワックスで対応するのは合理的と言える。
むしろ、ホットワックスする方が、リスクが多いとも言えなくもない。
普段、ホットワックスをヌリッパにしている人など、現地でシールが貼れない!なんて事も無くはないし、
現地で、スクレイピングなど始めたら、目も当てられない。

※前回のソールの話しでも書いたように、BCスキーの一部が、あえてエクストリュードソールなのは、このようなオーバーワックス使用にはベストマッチという事なのだろう。

また、長くなったので・・・BC用のホットワクシングについてはまた次回・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿