ページ

2015/04/15

ホットワックス考[浸透の為のTIP]#4

なぜ?今期、スキーベース(ソール下地)は、早く仕上がったのか?

あえて理由を上げるとすれば・・・
  • アイロンの温度
  • ワックスの順番

くらいか?
ペーパーの不使用もアイロンの高温化の1つだろう。

アイロンの温度については、以前は「ベースが緩む」という理由から、低温で溶けるワックスは低温で溶かす様にしていた。
まあ、クリーニング目的であれば、やはり低温で溶かしてスクレイピングする方が目的には合っているとは思うが・・・

しかし、「浸透性」※1という点では、以前記載したSWIXの古いカタログからの転載だが右記のグラフで見る限り、明らかに高温でワクシングする方が浸透する事を示している。
※おそらく、コレはワックスの溶解温度に関わらず、アイロン温度は高い方が浸透すると思われる。
右記の注釈にも有る様に、コノグラフは正確には浸透とは謳っていない。
「1㎠に吸収されるワックスの重さ(mg/㎠)」
となっている。
※1:浸透と吸収の表現はメーカーでも余り正確にその使い分けが無い。コノ当時のswixはこのような表現をしていたという事だろう。
ソール内の無数の気泡の空気とワックスがトレードオフした量という事と思われる。ソレを吸収と呼ぶか浸透したと呼ぶかは、難しい所だ。

ワックスは、「おでん」よろしく、染み込むのは、冷めて行く過程で浸透して行くと考えているのだが、ソール(ポリエチレン)には無数の穴?があり、熱を加える事でよりその穴が広がるというような表現がされる事が多い。その為、高い温度の方が、より穴が広がる?(膨張する?)と思われる。
同じく温度は高い方が冷めるまでの時間も長いとも言える。
もちろん室温によりますが。
※これまで、個人的にはアイロン温度はなるだけワックスの溶解温度ギリギリというのが理想と考えていた。
ソレは、ソールのダメージや、ワックスの変質を嫌った為だが、アイロンによるワックスの浸透を考えた場合、上記の図が示す様に、高温での処理の方が効率が良いのが解る。
とはえ、今期、高めの温度設定でアイロンしたと言ってもWCのチューナーにみられるアイロン温度150°などという事は無いし、せいぜい120~130°くらいの事。

それでも、上記のグラフでも解るが、100℃〜120℃の間に大きな変化点が有るのは伺える。おそらくはソール(ポリエチレン)の膨張が始まる温度域を越えるか越えないかで、ソール側の状態に大きな差があるのだろう。
今シーズンは全般的に、この変化点を越えた温度でのワクシングが多かった?のか・・・

[浸透の為のTIP](仮定)
アイロン温度は120℃以上!?

次に・・・ベースに使ったワックスがすべて同一メーカーで揃っていたことが、もしかすると大きいのか?
ただソレもどうかな?・・・ベースを単一メーカーで仕上げた事は何度かある。
ただ、フッ素入りのトップワックスまで、ほぼ、Holmenkol以外をほとんど入れていないと言えば・・・入れていない。
今期、卸したAventuraは、確かにHolmenkol含有率95%くらいかも・・・しれない(笑)
これまでも様々なメーカーを使ってきたが、塗り易い、浸透し易い、柔らかい、硬い
ざらつく・・・など、意外に純パラといっても差が在る。ベースを作る際のベースのパラフィンが同質の物の方が親和性が高いのは容易に想像がつくが、これまでもそれは、Holmenkol以外でもやったことがあるので、決定的な差があるとは余り思えなかった。
まあ、Holmenkolが特に優れたベースワックスなのか?と言うと・・・これまでも使ってきたワックスなのでソレも微妙・・・。
※ただ、1台のスキーに対してHolmenkol率95%は、かつて無い程の純度ではある・・・

[浸透の為のTIP2]
(仮定)
単一メーカー率95%以上!?

ただ上記のアイロン温度程は根拠にとぼしいい・・

となると、次に思い当たるのはワックスの順番?

確かに今回も最初こそ、イエローやレッド、グリーンと単品を複数回づつ重ねていたが、滑走後は、イエローも織り交ぜながら、常に
柔らかいワックス⇄硬いワックス
を繰り返していた。(120℃オーバーで)

以前、シーズン終わりに手に入れ、翌シーズンまでじっくりと仕上げた板(Ogasaka GS23)なども結局、シーズンが始まってしまえば、レッドをベースに時々グリ−ンのヘビーローテーション。
ただ、温度域の順番だけは凄く気にしていて、
イエロー→レッド→グリーン
だから、
レッドの後にイエローという事は無いし、グリーンの後にイエローで終る事も無い。

[浸透の為のTIP3](仮定)
柔らかいワックス⇄硬いワックスを交互に入れる!?

印象から言えば、あれだけ手間をかけてワクシングしたOgasaka GS23よりもAventuraの方が滑る印象。
柔らかいワックス⇄硬いワックスを1クールとして、柔らかい方のワックスは、板を温めるため位の割り切りで、すぐにスクレイピングした。
その後の硬いワックスも、グリーンなどはHolmenkolでも、ほどほど硬いため
レッドを少し混ぜるなどして、馴染ませていた。
結果、イエロー+グリーンもしくは、レッド+グリーンのミックスをヘビーローテーションしているのとあまり変わらない気もする。

コレくらいしか、Aventuraだけがベース(下地)が早く仕上がった理由が思いつかない。

ただ、コレまでは、12月に届いた新車など、シーズン中に仕上がる事など無いと考えていたので、コレからは上記のTIPでワクシングしようと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿