“たった1mm”で乗れなくなった話
今期買い直した
VECTERGLIDE MAXI S13。
ところが、昨年まで乗っていた同型のS13と、どうもフィーリングが違っていた。
エッジチューンを昨年と同じ仕様に戻したことで、かなり感覚は改善した。
しかし、それでも昨年のような自然な乗り味には戻らず、ビンディング前方に妙な硬さを感じる。
板がうまく撓まず、どこか乗りにくい。
この時点では、原因がブーツなのかスキーなのか、はっきり分からなかった。
最初に疑ったのはブーツ
今期はブーツを
NORDICA Doberman M5-LC(110-90)から、
Doberman M5-S(140-120)へ変更している。
当然、フレックスはかなり硬くなっているため、最初に疑うべきポイントではあった。
ただ、実際に滑って感じていたのは、
「ブーツが硬い」というより、
“スキーそのものが硬く感じる”感覚だった。
正確には、板がうまく撓ませられない。
そんな印象だった。
“硬い”には2種類ある
以前のブログにも書いたが、
スキーで「硬い」と感じる原因には、大きく2種類あると思っている。
1つは、単純に剛性が高い場合。
もう1つは、レスポンスが早すぎる場合だ。
後者の場合でも、人は「硬い」と感じることがある。
そこで、あることを思い出した。
自分で追加した「2mmのプレート」
新しいS13を導入した際、ビンディングの取り付けを自分で行った。
その時、ターン始動の遅さを改善したいという考えから、
トゥーピース側に2mmのディスタンスプレートを追加していた。
結果として、
- トゥー側のみ2mmアップ
- ヒールとの差で、つま先側が約1mm高い状態
になっていた。
角度にすると、わずか0.2度程度。
本当に微々たる変化だ。
しかもこのセッティングは、シーズン初めからGS/SL両方で試していた。
ただ、どうしてもSL、つまりS13だけが乗れない。
「自分には合わないのかもしれない」
そう思い、最終的にプレートを外して、ほぼデフォルト状態へ戻した。
原因は、これだった
結果として、違和感の原因は完全にこれだった。
プレートを外した瞬間、
- 自分の荷重感覚
- 板の撓み
- スキーの返り
その全てが噛み合った。
そして、昨年まで乗っていたS13のフィーリングが完全に戻った。
同時に、ブーツの感覚まで変わった。
M5-Sなのに、LC時代に近い感触になったのだ。
簡単に言えば、
「ブーツが柔らかく感じる」
ようになった。
たった0.2度で、世界が変わる
もちろん、ディスタンスプレートを入れたからといって、
スキーやブーツそのものの剛性が上がるわけではない。
変わるのは、あくまでポジション。
つまり、身体に対する支点位置だ。
だが、この“たった0.2度”が、レスポンスを大きく変えていた。
自分の場合、板の反応が早くなりすぎていた。
早いタイミングで乗れる人には、このセッティングは合うのかもしれない。
しかし、自分のように
「荷重感覚で板に乗るタイプ」は、
身体が乗る前に、板だけが先に反応してしまう。
結果として、
「常に乗り遅れている感覚」
が残り続けていた。
そして、その感覚が
「S13は硬い」
というネガティブな印象につながっていた。
結局、最後は“ほぼ純正”
1月中旬頃までセッティングに迷走したが、
最終的には昨年とほぼ同じ、デフォルトに近い状態へ戻った。
遠回りはしたものの、結果として非常に大きな学びだったと思う。
セッティングが決まってからのVECTERGLIDE MAXI S13は、
突出したクセや強烈な個性こそないが、
想定外の動きをしない。
まさに「足についた」感覚だった。
だからこそ、シーズン後半はクラウンプライズに向けて、
道具ではなく、自分の技術そのものに集中することができた。
追記:僕は同モデルを前年まで乗っていたため、このような印象にまとめているが、VECTERGLIDE MAXI S13は、2023年に初めて履いた時の印象から大きく変わっていない。
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