| 少しでもパウダーがあれば・・・ |
GENIUS
- SIZE:185cm
- SIDE CUT:155-130-140mm
- RADIUS:33.3m
もちろん、ベクターフリークの中には「真のフラッグシップはCORDOVAだ」という人もいるかもしれないが、個人的にはGENIUSこそベクターグライドを象徴する一本だと思っている。
出番こそ多くないものの、手持ちのスキーの中で一番好きな板でもある。インプレッションを書きそびれていたので、現行モデルでもあるGENIUSの個人的な印象を書き残しておこうと思う。
スペックだけを見ると、当時としてもかなり振り切ったビッグファット。今でも他社なら「色物」扱いされそうなカテゴリーだ。近年は各メーカーとも、このクラスの最新機を積極的に投入している印象は少ない。
しかし、その極端なスペックや見た目とは裏腹に、GENIUSは高い操作性と高速安定性を両立しており、意外なほどオールラウンド性が高い。
もちろん整地が得意というわけではない。それでも極端なロッカーは採用せず、オーソドックスなキャンバー構造を持つため、同社のButter Knifeのようなピーキーさはない。アイスバーンでなければ、整地でも十分楽しめる。
また、このクラスの太板としてはかなり硬く、基本的にはしっかり荷重しないと曲がってくれない。重心が板の中心に乗って初めて板が反応してくれる感覚がある。この辺りはGENIUSに限らず、ベクターグライドらしい個性とも言える。
とはいえ、個人的にはベクターのラインナップの中では比較的イージーな部類だと思っている。
特に深雪での操作性は素晴らしい。ツリーランでももたつくことはなく、パウダーでの失速感も少ない。そして、太板でありながらカービングスキーのような切れ味があり、とにかく速い。
トップとテール形状の効果なのか、雪の抜けが非常によく、トップを入れた際にも失速感がほとんどない。
最近のロングノーズやトップロッカー主体の板に見られるサーフライド的な感覚とは異なり、あくまでもアルペンスキーの延長線上にある乗り味。体感速度も高く、実際にスピードも乗る。
だからこそ、太板であってもしっかり踏み込む必要があり、組み合わせるビンディングにもそれなりの剛性を要求する。
メーカー推奨はMARKER BARONなどのプレート系ツアービンディングだが、僕のGENIUSにはDYNAFIT RADICALを装着している。いわゆる前後ピン支持のテックビンディングだ。
しかし、これは今になって少々ミスマッチだったと気が付く。
トーションの高いGENIUSに対して、RADICALでは踏み切れない場面がある。特に雪面が硬くなると、板の性能を使い切れていない感覚が強く、かなり気を遣う。
購入からかなり年月は経っているが、現在はビンディングの載せ替えを検討中だ。
ビンディングをもう少し強いものに変更すれば、硬い雪面への対応力や操作性はさらに向上するような気がしている。
まだまだ乗りこなせていない板である。
それでも、今も昔もGENIUSは憧れの一本であり、手持ちのスキーの中で一番大好きな板だ。
いわゆる「パウダー用の遊び道具」ではなく、「深雪を本気で滑るためのアルペンスキー」というイメージ。
この先、自分の記憶に残る1本(滑走)を残すのは、きっとGENIUSだと思っている。そんな1本を狙える板だと思う。
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