ヘルメットも削る Vol.1(Sweet Protectionフィッティング)


僕のスキーマテリアルで、ブーツ以上に加工が必要なのがヘルメット。
 昔からヘルメットはXLがデフォルトサイズで、それでも海外ブランドのヘルメットは加工無しで使えた事がない。
 世の中の大半の人は吊るしのまま買って被れると思うと、僕の頭骨はかなりイレギュラーなのだと思う。

 基本、新しいヘルメットは加工前提で購入するが、それでもブランドやモデルにより加工の度合いは変わってくる。ごく稀に加工無しで使用できそうなものもあるが、それでもインナーを抜くなど、そのままという訳にはいかない。
ヨーロッパモデルとアジアンモデルで一番差があるのが、横幅の部分。
ヨーロッパモデルは横幅が極端に狭い。僕からすると、ヨーロッパサイズはエイリアン用と思うくらい縦長なのだ。

NEW!


先日、新しいヘルメットが届いた。

届いた箱がやけに長方形でやや細長く……嫌な予感しかしない。

今回購入したのはSweet Protection。

数ある洋物ヘルメットの中でも、帽体(シェル)の幅が明らかに細く、自分的には今まで避けていたブランドだった。ただ、加工して入ればコンパクトな帽体とデザインは魅力的だった。

 

案の定、長方形の箱に入ったSweet Protectionは、これまで買ったXLのヘルメットに比べ明らかにコンパクト。

本当にXLサイズか?

入るのか、これ……?

いや、入らないにしても

加工して入るか……?

くらい幅が狭い。

ハイ、やっぱり入りません!

イヤーマッフルの先がこめかみまでしか入りません。
想定していた以上に厳しい。

もう一度タグのサイズを確認する。

XL。

これまで被ってきたXLヘルメットの中で一番狭い。
まあ、そのまま被れない事は想定内。
後は、被れるまでの加工が出来るかどうか……。

僕の場合、こめかみから耳の後ろ部分を拡張するのだが、通常この部分にイヤーマッフルの取り付けソケット(ストラップ等)の埋め込みがあったり、BOAシステムのフレームがこの辺りから始まっている。

そのため、大きくこの部分を削る事が難しいモノが多い。

準備

今回のSweet Protectionは、ストラップが帽体(シェル)側についており、SmithやPOCのように緩衝材(スチロール)自体にストラップが埋め込まれておらず、この部分を削る事は可能と判断した。


まずインナーパッドを除去。

BOAシステムも除去。

イヤーマッフルも取り外す。

このSweet ProtectionはMipsというシステムを採用しており、インナーと緩衝材の間に薄いプラスチックのシェルがフローティング状態で取り付けられている。衝撃時に帽体と頭骨が滑ることで、衝撃を和らげるシステムだ。
 それらのパーツを全て外し、スチロールを剥き出しの状態にする。

シェル等に傷がいかないようマスキングをして、加工準備終了。

加工

 電動ドリルにフレキシブルチューブを繋ぎ、ボールドリルでガシガシ削る。
削る場所と深さは、被りながら見当をつけるが、おおよそ長年の経験で自分の頭の形はなんとなくわかっているので、こめかみから耳までをおよそ5mmほど均等に削る。
※ベンチレーション用の溝を消すぐらいがちょうどよかった。

性能低下を最小限にとどめるために、局所的に当たる部分だけを削るのではなく、頭骨が面で当たるように緩衝材を頭の形に削るイメージで調整していく。

今回の加工(削り)は前後とてっぺんは一切触らず。最小限の削りにとどめた。

仕上げ


荒れたスチロール面を紙やすりで慣らし、剥がしたパッドを貼り直せるよう、面を整えた。

取り外したインナーやMipsを元に戻し、被り直してみると局所的な当たりもなく、ほぼ1回で決まり、かつてないほどピッタリ。パーツを戻すことで少し削った所も厚みが出るが、本当にピッタリ頭の形に合わせる事ができた。

 ヘルメットはブーツのように中で身体が動く訳ではないが、顎を動かすことでこめかみ周辺にも力が掛かるようで、加工済みのヘルメットでも、実際に使用し始めると、こめかみに痛みが出る事が多い。いつもは少し余裕をとるのだが、今回はあまりにもピッタリなので、一旦これで加工は終了。


今回のSweet Protectionはシェルサイズが小さいので、加工で被れるようになるかは賭けだったが、結果からすると、緩衝材(スチロール)側に顎紐などの埋め込みがないため、他のメーカーより加工はしやすい部類だった。

自己責任

ヘルメットの緩衝材を削るわけだから、本来の設計状態から衝撃吸収性能が変化する可能性はある。個人的には、頭の形に合わないヘルメットをかぶるよりは、形に合わせたヘルメットの方が局所的なインパクトは少ないような気もしている。

とはいえ、これはあくまで僕自身のヘルメットに対して行っている自己流の加工。
中の緩衝材を削るのは、あくまで自己責任で。

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