2022/11/09

BC[バックカントリーって?]

ー7年前にUPしようと思ってUPしなかったテキストがあったので、もう良いかなとUP。ー


自宅のPCで、友人の撮影してくれた写真を見ていると・・・

「パパ、悪いトコ滑ってる!!」
「バックカントリーしてる!!」
「ママぁ〜パパがまた悪いトコ滑ってたみたいだよー!」

おいおい・・・何だソレ!それに悪いトコって?何処だ。

ゲレンデ滑走ではないが、コース外滑走じゃないぞ・・・
そもそも、スキー場ですら無い。
子供にそんな言いワケ?スミワケ?を説明するのもヤボな話し・・・

そもそも、BC(バックカントリー)って非合法な行為だっけ?
山登りと下り以外は同じ事をしているつもりだったけど・・・
アレ?
僕、悪い事してるの?

BC(バックカントリー)=悪い事!
最近のメディアの取り上げ方を聞いていると、自分ですらそんな疑問が浮かぶ。

子供だけじゃなく、大人まで、ゲレンデ?じゃないとこでスキーをしたらダメでしょ!的な風潮が出来ちゃっている・・・恐るべきプロパガンダ。

もちろんね、実際、間口が広がって、様々な現場で今までと違うトラブルが急増している事は容易に想像がつく。トラブルの現場に従事している人達の苦労とリスクは想像に容易くない。
でもね、メディアの安易な情報の固定化は違和感を否めない。
発信する方は正確に、中立な情報を電波に乗せて欲しいよね。

子供はもちろん、知識の無い人が「BC(バックカントリー)=悪い事!」って意味付けちゃうような情報って、正確な情報とは思えない。
最近のメディア(特にTV)の取り上げ方は、「意見」と「事実」を別けて情報を発信していない。
メディアがジャッジした「意見」(主に感情に基づく表現?)がNEWSとされているような気がする。ある意味悪意にも取れる意図的な(安易な)編集がされていると感じているのは、僕だけじゃないはず。

そもそも情報の発信側であるメディアがBCの定義が曖昧なまま、スキー場内外、雪山のトラブル、事故が起きるとすべてBCという言葉に結びつけてないか?

スキー場のトラブル山のトラブルがBCという言葉で、棲み分けできていないまま、電波に乗ってるようでコワイ。

もちろん、スキーヤー、ボーダーもその認識、棲み分けが出来ている人ばかりじゃないだろう・・・

それでも、メディアの山のトラブルについての情報の捉え方は、他の事故と比較しても厳しく一方的な気がする。

最近では、スノーボーダーが、救助されたニュースが記憶に新しい。
リーダーとおぼしき男性のヘアースタイル、職業が特異なものだったためか、ネットのみならず、TVでも凄い叩かれよう・・・だった。

しかし、女性2名を連れて2晩ビバーグ、軽い凍傷だけで3人無事。
登山届けの必要なエリアを、届け出無しで侵入した事を悔いていたが、提出の有無は、遭難とは関係ないよね多分。閉鎖エリアへの侵入なら登山届けの有無にかかわらずダメでしょ。
ルールを破っている事は褒められた事じゃないし、ゲレンデからアプローチしているから微妙だけど、登山届けを出していないだけでTVで公開処刑なの?

だって、登山届けがいるという事は、完全にアルパインエリアでしょ?ソコ。
装備も意識も希薄なままアルパインエリアに入る、スキーヤーやボーダーを振り分ける為のルール(登山届け)だよね・・おそらく。
その日も、入山禁止だった訳じゃない。
で、遭難しちゃったんだけど、登山届け出していない意外、2日間ビバーグで天候を待ち、尾根に登り返している彼の行動は、セオリー通り。むしろ3人が無事救助された事からも、完璧じゃないのかな?

遭難しておいて開き直るわけにはいかないけど、プロ(登山家/ガイド等)だって遭難したら、救助要請するでしょ。
もちろん、安易な行動で多大な迷惑、捜索する側の命も危険にさらすというのは、迷惑な話だ。
登山届けが何故に必要かは理解しているつもり、極端な表現にはなるけど、登山届けは遭難のリスク減らすものではなく、遭難後の救助を円滑にする為のものだ。
メディアが登山届けを引き合いに、生存者を無法者のような取り上げ方をするのには違和感がある。

正直、アノ会見が山じゃなく海だったら・・・
登山届けが出されていたなら・・・
ボードじゃなくて、登山だったら・・・

こんなメディア対応をみると、山で遭難したら生きて帰ってきちゃダメとすら思えて来るのは、言い過ぎ?

コノ事故をうけて、多くのメディアがゲレンデ外滑走にはリスクがある。
一旦遭難すると、巨額な救助費用がかかるとか、救助側もリスクがあるとか・・・
いい大人なんだから、おとなしくゲレンデを滑っていなさい的なコメントが多かった。

あれ?
海は危ないから、おとなしくプールで泳ぎなさい。
という事を言いたいの?
BCの講習等ででも基本的には遭難、雪崩等トラブルに合わない様にリスクヘッジが一番だが、一旦トラブルに合えば、救助に引き継ぐまでがセルフレスキューだと習った。
その判断にためらいがあれば、助かる命も助からない。

プロ(登山家/ガイド)だってソレは同じはず。
そうならない為のシュミレーションが十分だったかは解らないが、
多くの山の事故において、生存していた場合の、あの「記者会見」と言う名のつるし上げが、山の事故に限って定番になっているのは・・・何かそう言うルールがあるのだろうか?

漂流したサーファーが「すみませんでした」なんて言う「会見」あんまり見た事無いでしょ?
海の事故、川の事故、もっというなら交通事故も、「助けて頂いてありがとうございました、皆さんに多大なご迷惑を・・・・」等々って・・・あんまりないよね。


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