2022/11/03

TLTブーツ(兼用靴)考

 先シーズン(2020-21)をSALOMONの最新テックブーツを使用したものの、全く乗りこなすことができず、シーズン終了とともに次期ブーツを物色。

 先シーズンはSALOMONが本命のブーツだったが、一応そのシーズンの他社モデルも試し履きはしていて・・・K2,TECNICA,ATOMIC,DYNAFIT・・・LANGE。

 高い勉強代を払った分、自分の好みのフィーリングの乗り味かどうか、自分が求めるブーツがどういうブーツなのかショップでの試し履きでもだいぶ分かるようになった。僕がブーツを選ぶ上で、雪上での操作感に大きく関わる4つのポイント


1:シェルの素材


 ブーツの剛性?硬度、というかシェルの素材について。一般的には130、120、110といったフレックス指数?硬度で表される。

ブーツはシェル硬度を求めた場合、アルペンブーツも含め、大きく2つのタイプがあるようだ。

 1つはアルペンブーツに多い、素材自体の硬度はそれほど硬くなく、比較的弾力性のある素材を使い、シェルの厚みで剛性を出すブーツ。

 もう1つは、兼用靴に多い、素材自体が硬く、シェル自体は薄く、結果軽量なブーツ。

SALOMON SHIFT 130は、まさしく後者のタイプ。ATOMICも兼用靴もほぼ後者。

 逆にアルペンブーツのほとんどが前者のタイプ、剛性がありつつも粘り、しなやかさがあるが重くなる。以前履いていたK2のピナクルはこのタイプ。(現行のK2 MINDBENDERシリーズは中間的な感じ。)兼用靴では軽量化が求められるので最新の兼用靴では比較的このタイプは少ない。


もちろん、SALOMONの反省から、僕は多少重くなっても前者のアルペンブーツ的な剛性感が好み


2:インナーブーツの素材


 ブーツのシェルは、他のスポーツの靴と違い基本的に伸びたり縮んだりはしない、いくら高度なフィッティングを行い足形に合わせても、複数の骨で構成された足の運動時の変化には許容は必要で、そこを埋めるのはインナーブーツという事になる。最近のレーシングブーツなどはかなりシェルが足の細かい形状に合わせてタイトになり、ロアシェルが厚くなっている。ひと昔のようにインナーブーツの厚みで足形に合わせるのではなく、シェル自体が人間の足の形状に近くなってきているようだ、特に内側の形状。その分インナーブーツが薄くなり、ほぼ表皮だけじゃないかと言うくらい、薄いものが多い。そしてインナーブーツは柔らかく、柔軟な素材が多い。

 インナーブーツが硬いと言うのはあまり聞かない話だが、SALOMON SHIFT130はかなり硬い。インナーが硬いとレスポンスがシビアになり、スキーヤーの操作感は増すように思うが、実際は雪面からの入力がかなりシビアになりとてつもなく疲れる。もちろんシェルとのバランスもあるのだが、基本的にインナーはできるだけ薄く柔らかいものの方が、良いように思う。そう言う意味では硬すぎるインソールも問題が出る可能性が高い。


個人的には、シェルがある程度フィットするブーツなら、インナーは薄く、柔らかいものが良いようだ。

 

3:硬い靴底

 

1のシェルの素材の話の延長ではあるのだが、SALOMON SHIFTのヒンジ位置の問題を改善するためにゼッパの踵の嵩上げを最初硬質プラスチックで行った。踵を上げる事で踝がヒンジに近づき、幾らか操作性の問題は解消した。・・・が使った素材自体が硬く雪面からの微振動がダイレクトに伝わるせいかひどく疲れ、素材を硬質のスポンジにして同様の嵩上げをした所、かなり改善し操作性も良くなった。インナー同様に靴底?、ゼッパ、インソールもある程度操作に関係ない入力は、インソール・ゼッパで吸収させるため、柔らかさが必要に思う。


これまで、ゼッパにショックアブソーバー的なスポンジなどが付いたブーツは良いイメージがなかったが、ブーツ底の形状や素材によっては、ある程度の柔らかさが必要なことが分かった。


4:ヒンジの位置


 SALOMON SHIFT 130で1番の問題がこれ、足を入れた時の踝の位置とブーツのヒンジ(カント調整ボルト)の位置がかなり遠く、自分の足の踝からだいぶ上にヒンジがくる。それによりブーツのタングをうまく押すことができず、サイズが大きいブーツを履いた時のような違和感がある。結果、フィッティングが上手くいっていても、ひどく硬いブーツに思える。

 これは、雪上でも変わらず前方向にひどく硬いブーツは自分の入力に対してタングから跳ね返されるようなイメージになり、思ったポジションが取れない。いわゆる足首が使えていないような状態になるため、コブはもちろん、整地においても上手くポジションを取ることが難しい。

 ヒンジの位置については、各社いろいろな設計、コンセプトがあるところでATOMICなどはヒンジの位置の違うタイプが併売されていたりもする。


 個人的な見解としてはブーツサイズを変えるなど特殊な事情がなければ、あまりヒンジ位置が遠いものは難しいのではないかと思う。



0 件のコメント:

コメントを投稿