2014/09/29

夏のワクシングの薦め [ワックス考2014]


先日、友人から「チューンから帰って来た板を日干し(サーマーワクシング)したいんだけど?」とFBで連絡があった。

微細な気泡が・・・
僕は、今から?
もう時期じゃないでしょ?(9月初旬)
とも思ったが、
サマーワクシングなどと呼んでいるが、特に特別な事も無く
ワックスを厚めにアイロンした板を、日向に水平に置くだけなのだが。
せっかくなので、僕の個人的なノウハウも織り交ぜ、僕のやり方を伝えた。

友人は昨シーズン、僕の板と交換した際、自分の板とあまりに違うので、
僕がシーズン前にやる、夏の日干しでのワクシングに興味を持ったようだ。

彼はSAJのク◯ウンの所有し、一般的には、いわゆる上級者で、毎年技術戦に挑戦しており、わりと仲間内の中では道具の手入れをちゃんとする方の人だ。
ただ、実際の夏場のワクシングの頃合いや、ワックスの種類なども含め、解らないらしく
極、基本的な事?と思う事まで一応伝えた。

ワクシング、特にホットワクシングの効果、やり方については、「滑る」と言う曖昧で数値化しにくいため、単純に相対的評価を簡単には比較出来ない。その為
プラシーポ的なものから、宗教のような宗派まであり、迂闊な事を書くと炎上しかねないので(笑)
あくまで、個人的なやり方と、考えを・・個人的にメモがてら記載する。

僕も最初の頃はメーカーのガイドブック通りに手順を踏み
ただ、記載された温度でアイロンをかけていたし、一晩置けと書いてあれば、書かれた事をおおよそトレースするだけで、どういう状態が理想なのかは解らず、ただ、行為を繰り返すだけだった。

しかしながら、繰り返せば、それなりに経験則でいろいろ解って来る。

僕のワクシングのベースはこちらのページこちらの本の影響が強い。

ともに、やり方だけのHOW TOだけでなく、個人の実験に基づく「こうした方が良い」と言う理由があるのが、
よくある一般的な雑誌のチューンネタとは違っている。

目的が解れば、素人なりに同じ作業でも工夫が出来る。
つまり、同じ作業でも、効果を上げるやり方を考え実践出来るはず
ワックスが必要なのは冬だが、下地をつくるなら暖かい(熱い)夏の方が効果が高いと思い
サマーワクシング・・・という事になる訳だ。

個人的な経験則で言えば、コノ夏の作業は圧倒的に効果があると思っている。
逆にシーズン中のベースづくりは、ほぼ不可能なのも想像に難しくない。
※もちろん暖かい環境で、ワクシング出来る方は良いですが・・
それでも、夏の気温が高い時のワクシングはやはり差があると考えている。

それは、板が冷めにくい事に起因する

温度だけで言えば、室温を上げれば同条件なようだが、実際はスキーの為にドライサウナのような環境は維持しづらく、夏のソレとは異なる。
※ソレを可能にしたのがTSUNEさんの「ぼかぽかくん」やTOKO等のサーモバッグだ。
当時、僕も真剣に制作を考えたが、我が家の居住環境がゆるさなかった・・(泣)

下地の無い新車などは条件がいいと
コレくらい気泡が出て鱗状に硬化する
上記の本やTSUNEさんも書かれていたが、ワックスは冷める過程で浸透する。
僕もそう考えている。

そう考えると、夏のワクシングの有用性が理解出来る。

要は、おでんの「大根」宜しく、ゆっくり冷める過程で味が染み込むのとよく似ている。
よくアイロンをかけ、外気で急に冷やしてしまう人をみるが、あれは浸透という点で不利だと考えている。熱々のできたてを冷蔵庫で冷やすようなものだ。
おでんは、ガスを止め徐々に冷めて行く時間が長ければ長い程味は染みる(馴染む)
夏場は、日中、日光で加熱されたスキーは、中々冷めない。
日陰に入れた時点で表面のワックスは白くなるが、ワックスは完全には硬化せずかなり長い間暖かい。
その上、気温が高いので均一に液状化したワックスがスキーを水平にする事で、浸透の時間はかなり長く取る事が出来る
※とは言うものの、硬化しはじめたワックスが浸透するとは思えないので、早く液状化させ、その時間を長く取る事が有効だと思う。
※SWIXのカタログにも在るが、アイロンは高温の方が効果が高いというのは、同じような理由であろう。


つまり、夏の気温が高い時期にワックスをかけるのは、高温でワックスが溶ける事よりも
スキーが芯から暖まった状態が長く続く所に意味が在ると考えている。
同時に、長い時間ワックスが液状化していれば、重力で浸透するのではないかとも思っている。
※浸透の要素が毛細管現象で浸透するというのも、イメージにはあったが、ポリエチレンの状態はそれほど均一のものではないようだ。
その為、夏に放置されたスキーのグラファイトソール日光により熱を溜め、液状化した状態が続き
ソールの中の空気と入れ替わる事で、ソール面に無数の気泡が出ると考えている。
※現に上記の状態で置かれたスキーのソールのワックスが、途中で少なくなることがある。
特に新車(新品の板)などは顕著で、ベースが出来た板と比較すると、明らかに吸収?(浸透)する量が違う。

一見すると、スキーをワックスで煮てしまえば浸透ししそうなものだが
過去にヤマハのファクトリーチームで実験したとかしないとか・・・?
※毛細管現象でワックスが入る訳ではないと考える1つの理由だ。

友人は中々その状態にならない為に、浸透しているのか解らないというのだが・・・
僕も浸透しているかどうかなど解らない。

ワックスメーカーでも浸透と言う考えが無いメーカーも在るようで、従来のベースづくりとは違うアプローチで持続性を持たせるメーカーも出て来た。
静電気による吸着や、ナノ化、ワックスの粘度など、さまざま・・・

ソールの厚みが1mm弱?ワックスが入るのは僅か0.2mmと言われている。
おそらく、何度ワックスをかけようが、1mm単位で浸透する事は無いと思われる。

と考えると、いわゆる「ベース作り」が、ワックスの持続性(トップワックスとの親和性?)やソールの保護(ベースバーン防止)と考えると、アイロンによるワクシングが、手間とコストに見合うかと言われると、個人的には微妙だ。
正確に比較した事が無いので、解らないが、単に滑走性を求めるならば、他にも方法が出てくるのもうなづける。

ただ、個人的にはワクシングもスキーの楽しみの1つで、明らかな違いを感じる場合「当たった!」というのが密かな楽しみでもあるので、多分僕はコノ習慣を変える事は無い・・・多分(笑)

5 件のコメント:

  1. 参考になります。
    サマーワックスってなんのため? って不思議に思っていたのですが解消されました。
    僕の場合はシーズン中に外でのWAX掛けになりますのでが、板は冷え冷えです。
    デッキシート(表面)を触りながら温度確認はするのですが、WAXを浸透させるなんてことは考えもつかなかったです。
    夏のこの時期にベースをちゃんと作っておくのですね・・・よく解りました。
    そんなわけで今日はお天気もよく暖かっだってので午前中に自分の板だけサマーワックスしときました。

    それとインソール バネ2逝っときました。
    確かにフィット感は最高ですね、板に圧を伝えやすくなったかも。
    しかし、爪先が下がりでベタ足じゃないと思っているのは僕だけでしょうか?
    でも2・3本滑れば慣れてしまうのでしょうね。
    早くシーズンが来ないか、待ち遠しいですね!!

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    1. susumuさんレスありがとうございます。
      この時期では、もう日光だけでwaxが溶ける事は無いと思いますが、
      暖かい時期にwaxは、冬の何倍かの効果はあると思います。
      浸透?と言われると微妙なのですけど・・・繰り返しワクシングした板はやはり安定して滑りますね。

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    2. インソールも色々ですけど、良くも悪くもかなりブーツの印象が変わるので、緩斜面での最初の印象を覚えておくと比較し易いですね。

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  2. なるほど・・・・
    リキッド状態にWAXがなって、板が冷めていく時間がゆっくりの方がいいって訳ですね!
    フムフムフム・・・・・・納得。

    今回は板の虫干しをしったってことで!!!

    参考になるコメント本当にありがとうございます。

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    1. あくまで、持論ですので・・・本当はどうなのか解りませんよ?
      比較も出来ませんし。

      でも、仲間内の狭い比較対象の中では、僕のより、滑る板を履いている人は居ないな〜

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