立山より帰ってきました。
2日の朝、ヘリの爆音で目が覚めた。
朝焼けに照らされる山々の壮大な景観に反して
人工物が中に浮く姿は、その理由が想像出来るだけに違和感があった。
昨日、立山で遭難事故があったようだった。
※この時点では生死は解らなかったが、既に回収の時点で死亡は確認されていたようだ。
目と鼻の先で生死を分ける事故があっても、空は晴れ渡り、山はとても美しかった。
そして、山小屋の朝は慌ただしく、皆自分の準備に忙しそうだった・・・
僕らは朝食を取り、8時とゆっくりのスタート。
正面の劔御前には既に何人か取り付いていた。
好天に恵まれ、ハイク時は汗だくで登るも、標高2600mmあたりから少し寒くなる。しかし風がほとんど無いため動いている分には、レイヤーを増やす程ではない。
雪も適度に緩み、昨日のようなアイスは少ない。
それでも、スキーアイゼン無しでは厳しそうで、特にアルパイントレッカー仕様のメンバーはなかなかペースが上がらなそうだった。
当初、劔御前を登り、剣岳に向かってドロップ、登り返す予定だったが
パーティーのスキルもあり、時間的な制約からそのまま雷鳥沢?を滑走して戻る事に
僕自身は、TLTシステムのおかげで体力の温存が出来、直接スキーに付けられたボレー製のアイゼンが、トラバース時も足下を安定させてくれた。
装備を信用しきれていなかったのだが・・・・
※当初ビンディングのインビス、アイゼンのインビスの弛みを疑った。
結局はウォークモードに切り替えたブーツが可動範囲が広く、大きく踏み込んだ際、曲がり過ぎてウォークモード用のバックルホルダーから、外れてしまう音だった。
多少の不安はあったものの、結果から言えばインビス化に伴うTLTシステムの導入はノントラブル、最高のパフォーマンスと言えた。
山頂の山小屋にて滑走準備をする。
ガイドの後輩は休憩時間を最小限にとどめ、パーティーのタイムスケジュールに少しでも
マージンを残すようにしている様に見えた。
天候もよく、ボウル状のオープンバーンなのだが
昨日と違い斜面は日差しに照らされ、スタート部の薄い新雪は少し湿雪、斜面の下はスラフがそのまま氷ったような凸凹。
レシーバーを預かったが故に、またもやシンガリ・・・
何人かは下の方で転倒しているのが見えた。
レシーバーで、スタートを伝えドロップ。
出だしの斜度は若干あるが、薄ら積もった雪は標高からもさほど緩んでおらず
適度な湿雪。
大きめのターンで、慎重に降りるが・・・
斜度がかわり、荒た斜面に入ると速度とあい余って、叩かれる。
普段なら、大きくなる外力に体ごと倒して対応しているものだから、
ザックを担いだBCではごまかしきれず・・・
結果、足に来る。
案の定こらえきれず、仲間がいる手前で転倒。
高度が下がるにつれ、雪も緩み、失速しやすい雪がつづく
ただ、積雪の多い今年は岩や這松の露出も少なく、オープンバーン。
皆の愛機/ケーブル駅にて |
コレが新雪であったなら・・・と、思わずにはいられない。
あっという間に、ハイクスタートのポイント。
後は雷鳥荘に戻り、帰還準備だ。
昨日、雷鳥荘までが比較的楽だったからこそ
室堂までの帰りは登り・・・・
それでも、TLT化した足下は疲労した足でも、距離を稼ぎ、
特に平坦な所での移動は明らかにペースアップ出来た。
本格的なTLTの実用は初めてだったが、色々と思う事があった。
またインプを書こうと思う。
GWで晴天だった事もアリ、室堂は終始観光客でごったかえし、
人の多さは立山駅に着くまで、つづいた。
前回が長野からの入山のうえ、30kgオーバーの荷物とあい余って
ヘロヘロだったが・・・今回はあらゆる面で随分楽な行程だった。
TLT化等、マテリアルの変更が良かったみたいですね!
返信削除登るのが数時間?で、滑るのが数分ではもったない感じがしますが、このバーンなら気持が良さそうです。
ズラッと名機が並んで・・・朝市みたい!・・どれでも1本千円でどう?
スキル不足をマテリアルで補うのが、僕のスタイルなので・・・・
削除ドンピシャでハマると嬉しいですね。
確かに登りに対して、滑走時間は数分ですが
ゲレンデでは感じ得ない感動がありますね。
失敗もデカイですが・・・
立山いいですよね。最高です。
返信削除私も学生の頃、雷鳥沢ヒュッテに泊まって合宿しました。
空気が薄いところで10〜15分ぐらいかけて登り、一瞬で降りてくるのを繰り返す感じでした。
短いところを1本滑るのも登りが大変で、その分、集中して練習できて上達できた気がします。
コメありがとうございます、kaizoさん。
削除最近は道具が良くなり、僕のようなスキルでも登ったり、滑ったり・・・?
何とかなるような時代になりました。
学生の頃は、乗鞍の数10メーターを登るのにヒイヒイ言ってたのに
不思議なものです。