2022/11/02

SALOMON SHIFT PRO 130 インプレッション3

1シーズン履いてのSALOMON SHIFT PRO 130 個人的問題点・・・


問題1:ヒンジの位置

 

 購入後に気が付いたのだが、同形状のシェルとは言えS/MAXとSHIFTではフットベット形状が異なる。そのためブーツ底の形状も異なる。簡単に言うとSHIFTはフットベットが薄い。通常のアルペンブーツのように下駄を履いたような高さも厚みもなく、いわゆるATブーツ特有の薄いフットベット形状になっている。

結果、S/MAXとSHIFTでは同じシェル形状でも、中に収まる足の位置が違ってくると思われる。S/MAXとSHIFTでは履いた際の足首(踝)の位置が同じ位置にはならず、雪面から足裏の近いSHIFTは、結果ヒンジの位置が踝から離れる。※いわゆるヒンジが高いブーツになる。

 この事が、SHIFTというブーツを難しくしている要因だと思われる。


対策:フットベットの踵部分に3mm厚の硬質スポンジを貼り、踵の位置を上げた。かなり効果的な対応ではあったが、絶対的な踝位置の改善とまではいかなかった。



問題2:靴底が薄く硬い


先にも書いたように、SHIFTは靴底が薄く雪面までの足裏の距離が近い。その上フットベットが薄くかなりシビアに雪面からの振動を拾う。これが異常に疲れる。操作感的には雪面が近く、足裏感覚がリアルな分、良いようなイメージだったが、ブーツ自体にあまり柔軟性がないため、僕が使うにはシビアすぎる。

対策:上記の3mmスポンジを貼ったおかげで、そこでかなり細かな振動が収まり、良い意味で少しルーズさが出た。





問題3:インナーが硬い


 SHIFTのインナーはサーモインナーの一体成形、ただし靴底は別縫いで薄く保温性と操作性を両立させた物で最初の印象は良かった。かなり硬質のスポンジで一般的なサーモインナーのようにふにゃふにゃの感じはなく、アルペンレースモデルのインナーよりも硬いくらい。

このインナーがまた曲者で、硬いブーツに硬いインナーの組み合わせは、逃げ場がなく、どんなに静止状態で当たりがなくとも、硬質な操作感がそのまま「当たり」になり局所的な当たりではないものの、いたる所が痛くなる。

 薄いインナーのレーシングモデルでも、素材そのものは柔らかく、硬いシェルに対しインナーの柔らかさで細かい振動を吸収している仕様なのではないかと思う。

比べてSHIFTはインナーはレースモデルほど薄くはないが、かなり素材が固く、インナーそのものが当たる感じ。

先にも書いたが、フィッティング時の静止状態では当たりが無いのに滑り出すと具合が悪いから始末が悪い。


対策:以前履いていたK2のインナーを使用。だいぶ楽になった。ある程度ブーツの中で足が僅かに動ける分の柔らかさが必要なのだと思う。


上記の3点が致命的で、細々対策したものの1シーズンスキーに集中できなかったので、僕には合わないとあきらめた。(結果もっと早く決断するべきだったと思う。)


いろいろ問題点を書いたが、おそらく兼用靴としてはかなりレーシーなモデルでいろいろ革新的な?(実験的な)モデルなのだとは思うが、個人的にはまだまだ成熟に時間のかかるファーストモデル(初期型)のように思う。


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