2012/07/05

ワックス考[ベースが緩む?]


昔、レースに明け暮れる友人とワックスについて話をしていた時

旧パッケージですが・・
温度帯の記載が無い?
「ベースワックスって、いつ使うのか解らんよな?何であるんだ?」
※彼の言う「ベースワックス」と言うのは温度域も滑走ワックスでも無く、無色の「ベースワックス」という商品名のワックスの事。

と言う話になり、当時は年次1kgもワックスを買う彼を奇異の目で見ていた僕は、
※今では僕も同等くらいの量は買いますが・・・
「メーカーもビギナー用に解り易く、カテゴライズしてるだけじゃないの。」と
適当な事を言っていた様に記憶している。

当然、アマチュアレーサーの彼は、パラフィンワックスをベースとし、
柔らかい高温用から、硬い低温用までを入れて強固なベース作りをしていたのだと思う。

だから、ベースワックス=純パラ(フッ素無しのハイドロカーボンワックス)

というベース作りが当たり前のため、彼の様なマニアは「ベースワックス」という名称だが、
その用途では使わないし、初心者?がベースワックスとトップワックスを使い分けるとも思えない。
だから、この商品、カテゴリーの存在意義が解らないと言う事なのだろう。

確かに、ある意味用途をベースと指定してはいるが、少し知識のある人なら、ベース作りにあの無色の温度域も曖昧なワックスを使う人は少ない様に思う。

僕も今でこそ、年間1kg位は買うしベース作りも
高温域から低温まで三段階位は入れて作る様にはしている。
※イエロー/レッド/グリーンの純パラ等

コレは温度域を意識(利用)して「浸透性と硬度」を考えた場合の理想で、ベース(下地)の浸透性だけで言えば「ベースワックス」という柔らかいワックスでベースを満たす事は十分意味がある。

温度域はトップワックス(滑走用)で対応してもおそらくそう大きくは滑走性は変わらない様に思う。

変わってくるのは、持続性で、ベースも温度を意識した物の方が持続性は高くなる。
※とあるメーカーのアナウンスでは、ベースはトップワックスに対し1つ硬いワックスが理想とされている。

ただ、レースの様に滑る条件が解っている場合は、トップワックスからベースの硬度も調整する場合もあるだろうが、基本的にはベースは柔らかいワックスで深い所まで浸透させ、徐々に硬いワックスで蓋をする?イメージで、ワックスに拘る人程、硬いワックスでのベースの仕上げを好む傾向がある。
事実、ベースは硬い方がBB(ベースバーン)も起こり難い。

滑走後のメンテナンスでも、リムーバーなどの汚れ落としは御法度とされ、柔らかいワックスをワクシングし、暖かいうちにスクレイピングすることで、汚れを取る事が定番だ。

クリーニングワックスといった専用の商品があるメーカーもあるが、多くはイエローなどのアイロン温度(融点)は低く、使用雪温/気温は高いものが使われる。
専用の物も多くは融点の低い、パラフィンワックスが多い。
そしてこのクリーニングワックスとベースワックスとされる物はほぼ同質の物が多い。

繰り返すが、専用である理由はほとんどない。

ただ、専用の方が適している場合がある。
イエローなどの柔らかいワックスよりも、さらに融点が低い(柔らかい)場合だ。

通常イエロー以上に柔らかいワックスなど、滑走性、持続性を考えれば、使い道はまず無い。
オフシーズンの保護位しか役に立たない?

しかし、イエローより低い温度で溶けると言う事は、
仮にイエローが90℃で溶け、
クリーニングワックスが80℃で溶けるとしたら、
クリーニング用にあてたアイロンの温度では
ベースに入れたワックスは影響を受け難い。

マニア?の理想とするベースはブルー、グリーン等の硬いベース作りを信条としている。

せっかく作った硬いベース(下地)をクリーニングのたびに、柔らかいワックスかけることで
柔らかくなる事を嫌う。

コレを、マニアは、「ベースが緩む」というらしい。

緩む要因として大きいのはアイロンの温度だ。
浸透したワックスも、再び融点を越えた温度でアイロンをあてれば、再度溶解する。
その際、柔らかいワックスが乗っていれば、硬いワックスと、柔らかいワックスをベース上でMIXした様な状態になる事は容易に想像がつく?

その為、ベースは硬いまま、クリーニングするには
ベースに入れたワックスより融点の低い、最も柔らかいワックスを、低い温度でアイロンをかける事が重要だ。
せっかく融点の低いワックスでも高い温度でかけてしまうと、ベースが緩む原因になる。
※アイロンの温度がいつも同じと言う人は、徐々に緩んでいる可能性がある。

※もちろん硬いワックスだけしか、かけない方がベースの硬度は保たれるが、それでは汚れ取りとしては不十分な事が多い。
ましてや硬いワックスはその扱いが難しい(手間がかかる)。

そう考えると、ベースワックスと言う名称はともかく、クリーニングワックスとして極端に融点が低い柔らかいワックスと言う事なら、使用用途は、あるのかと思う。

メーカーもソコまでのアナウンスをしているメーカーはなかなか無い?様に思う。
※日本語が無いだけで、本社の英語のアナウンスはあるのかもしれないが?

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